ひとり不動産・健康学会(書評ブログ)

不動産書籍と健康書籍の書評を書きます。

タグ:銀行



要点を箇条書き
◯立地・建物状況で利回りは5%〜10%増減する
◯築古物件はいつか若返らせる必要がある
◯利益率が高くても物件のストレスが高ければ破綻のリスクがある

本書が向いている人
◯高利回りで回しているのに不安がつきまとう人
◯溜まったキャッシュフローをどう扱っていいかわからない人
◯物件が高騰し、悪い時期に買ってしまった人


本書は、おそらく日本で最長の部類に入る
サラリーマン不動産投資家による著書である。

沢さんが一味違うところは、
不動産の規模をあまり大きくしないで、
長期的な運営をしていること。

同時に、長期間市況を見極め、
様々な不動産投資家の転落を見てきたことだろう。



沢さんは、13年の楽待DVDにトップバッターの講師として登場するなど、
パイオニアとして今でも評価が高い。
楽待の代表取締役でもある坂口 直大さんが、
当初、楽待を運営する時に多くの師事を仰いだ人物としても知られる。


そんな彼が、非常に実験的な著書を書いた。
それが同書である。

一切の具体的なノウハウを書かずに、
まるでオムニバス映画のように本書のストーリーは流れる。

築古物件を買い求めるAさん、大型RCを買う高属性のBさんを主人公に、
その周辺の銀行担当者、不動産業者、リフォーム業者などが
まるで生のセリフ、特に心の内側を吐露する形でページが進むのだ。

これは、何度も危機を乗り切ってきた
投資家にしかできない著書である。

本書は、そのような実験的な進行で、

「銀行、成功大家、仲介業の誰もが言わない不都合な真実」

をメインに、不動産投資の「リスク」を語り切る。

そして、そのあとに、
自分がどうすべきかを読者に内在的に提示する。


売れてないが、とんでもない書籍である。
読むのに時間がかかるものの、
誰よりも優位に立ちたい人には絶対読んでほしい。
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◯銀行員の人種・組織構成など恐ろしい情報量
◯銀行担当者が「融資のために社内で何にもしなくていい」
 キラーパス的「稟議書的企画書一式」を掲載
◯銀行融資関連裏話が多彩
◯1棟目の融資付けエピソードを詳しく書いている
◯他の書籍で見たことがない銀行融資のタブーを多数掲載


おそらく楽待さんで1番めに知られている投資家さんではないだろうか。

私の印象としては、彼、安藤新之助さんは、
結構なんでも赤裸々に語る人だという印象。

楽待DVDでは、不動産仲介業者との
夜の接待、裏金の渡し方など、
かなりすごいことを語っているし、

楽待さんの素人の銀行面談シリーズ企画でも、
ある種「どうやって好まれる嘘変換」をしていくのかを、
ストレートに話している。


彼の前提には、おそらく偽善があまりないんだと思う。

そして、普段偽善を求めてくる銀行の担当者は、
彼のような「正直で異常に礼儀正しい金の亡者」に、
イレギュラーな感動を感じているのだろう。


◯自分にストーカー性があるならば、
 安藤氏のような手法はかなりの確率で使える

安藤氏の手法は、相手の断る理由を事前に、
どれだけ埋めてしまえるか、この一点である

これは単に相手を知るだけというものではなく、
狂人的かつストーカー的な先回りが、
断る、逃げる、ばかりして半ば病んでいる
銀行担当者を逆に「癒してしまう」レベルのものである。

みんなに憎まれている、陰口を叩かれている
職業を包み込む手法が、大胆に書かれている。


安藤氏は、インタビューや記事で
仲介業者、弁護士、税理士などは、
嘘つきで悪徳な人が多く、あまりその方面の付き合いが、
得意ではない、と語っている(と、記憶)。

つまり、銀行員は、
個人的な金のために動くことはないので、
その分真っ当で、かつ、
「他人のお金」を「他人に渡す」
仕事であり、むしろ「社内の人事的な面」さえ抑えたら、

お金を差し出す人種であることを、
長い試行錯誤で気がついた、
特殊な人間であると言える。


◯彼の具体的な資料は、情報強度が高い

普段、私は本を読んだら
さっさとアマゾンで中古でうるのだが、

この本のところどころに掲載されている、
彼の直伝の書類のレベルが高すぎて、
今回は売れそうにもない。

たぶん、しばらくは手元に置いておくと思う
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丹念な取材でかなりの情報量。
しかも著者も不動産投資の経験あり。
単なる警告書というよりは、上質なドキュメントでもあります。

要点箇条書き

◯1棟目、2棟目のローン物件を狙う不動産投資家が一番のカモ
◯不動産投資経験者のリスト(カモリスト)が存在している
◯騙す形式は大きく分けて2種類
◯購入者の見抜けない「見えない詐欺」
◯購入者と組んで行う「見える化共有詐欺」


ツイッターを通して、何人もの不動産投資家が
しかもかなりベテランの投資家が推薦していたので読みました。

確かに、近年の不動産投資詐欺状況を調べ尽くした凄い書籍です。

私の読んだ感覚としてはノンフィクションの最高峰、
「大宅壮一ノンフィクション賞」にも匹敵しそうな内容。

特にスルガスキーム関連の証拠メール、ラインなどの
エビデンスは著者の新聞記者としての力量が発揮されています。

また、この本で明らかになったことがあります。
それは、不動産の詐欺にはめられる人は、
実は初心者で属性が高い人、よりも不動産投資経験者が多いということ。

つまり、この不動産投資という業界は新規参入の敷居が高く、
銀行が基本「経験にしか融資をしない」というスタンスを持っています。

そのため、融資という名のレバレッジがきく、
超高額取引をできるのは、属性よりもむしろ「投資経験」。

そして業者として美味しいのは「知識の浅い投資家」。
ということになります。

そうすると必然的に1棟目、2棟目の新米投資家が餌食になる。
いわゆるドレッシングが掛かったお野菜になるわけです。

もちろん、かぼちゃの馬車などの詐欺では、
低属性の被害者も多いのですが、
本書の本質は、「経験者を騙す」という側面。

「俺は思った以上にうまくやている」
「不動産関連の仕事に関わってるし、自分はセンスがある」
「買いすぎて融資が出ない」
「そろそろ田舎から都市へ物件を買い進めたい」

これらのことをつぶやきそうな不動産投資家が、
ことごとくハメられて地獄に落ちている様子が伺えます。

そして、さらに

これらの「地獄落ち」は、今後2〜3年かけて、
さらに表面化するという可能性。

現に、2017年にたくさん物件を買った投資家の多くに、
2018年、2019年の信用棄損の規模が大きすぎて、
融資が全然つかず、物件が買えていない。
という人を、有名大家を含め私はたくさん見ています。

心当たりがある人は、
ぜひ読んでください。

そして、もうすでに手遅れでなければ、
対処法を考えたほうがいいでしょう。
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◯低層大家、初心者に向けて書かれた本ではない(そういう事例はほとんどない)
◯中級以上の不動産事業者の心得が書いてある
◯大阪の不動産業者との付き合い方が極めて克明に書いてある
◯首都圏とは違うルールで役に立たない可能性あり
◯この時点で、築古戸建てなどをまだ攻略していない(のちにそれ用の本を出す)


本作は、木下たかゆきさんとともに大阪を代表する
岡田のぶゆきさんの著書です(なぜ下の名前がひらがななんでしょうかね)

読んだ印象は、この手の本にしてはずいぶん丁寧に書かれてある、ということ。
初心者本は「安く買えたら細かいことはだいぶ解決できる」という
テーマがありますが、本書にはそういう思想はあまりありません。

むしろ、1〜2棟目を買って融資がつかなくなってきた人向けの、
「中級者向け」書籍のような感じがします。

岡田さんの銀行との付き合いがずいぶん詳しく書いてあります。
業者との連携の秘訣も書いてあります。

むしろ、この本は、
「銀行さん、業者さん、私は他のアホメガ大家と違ってあなたをきちんと幸せにしますよ」
という、声明本のような感じです。

例えば、値切り交渉してくれた業者に、
その物件を運用して利益の乗った後の売買もお任せするようにしていく。
そうすることで、その「優秀な業者の一番の顧客になる」というやり方などがそうです。

例えるなら、関西の安藤新之助さんという感じですね。
おそらく、この本を読んでいる大家さんは少ないのではないでしょうか。

業者とのトラブル、銀行からの信頼について考えたい人にオススメです。
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