ひとり不動産・健康学会(書評ブログ)

不動産書籍と健康書籍の書評を書きます。

タグ:正直不動産




◯不動産仲介業者と長く付き合う、ということがわかる
◯世間の悪評に仲介業者が自ら答える
◯仲介業者は信用できない、を仲介業者ととことん考える


先日、かなりチャレンジングな番組が
不動産投資サイト「楽待」にて公開された。

本書の著者である新川氏が、5つの物件を持ち込み、
6名の有名不動産投資家に提示して公開買付けをするという試みだ。
1日目はスタジオ収録で5つの物件を2つに絞る



2日目は実際に物件を見に行くというもの


無事に公開買付けが入ったものは、
モザイク無しで動画放送されるという、
不動産投資家と仲介業者のインサイドワークを、
タブーを無視して公開。

これは相当な仲介業者の力がないとできないことだとわかる。


で、感じで本書の話題に戻る。

同書は「クリスティ」「富士企画」という
いわゆる「正直不動産」スタイルで、
反響営業のみを行う「売らない営業」を確立した、
新川氏の最新刊である。

今回のテーマは、彼と有名大家の馴れ初めと、
その長期的な共同作業である。

中でも、楽待の大御所不動産投資家、
中島亮さんとのエピソードなど、盛りだくさん。
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もちろん、彼も不動産業者であるので、
全部を全部信じてはいけないが、
それでもあえて彼の主張を羅列してみる。

◯融資は購入が確定的でも銀行に迷惑が掛かりそうならキャンセルするべき
◯仲介業者と親しくなければ「瑕疵担保保証」などの交渉は難航する
◯仲介業者が投資家の性格が不動産業に向いてなければ、撤退を促すべき

これらは、14人の投資家たちとの会話で
語られるいわゆる新川式の仲介特性だと言える。

ただ、最近はかなり権威性が増してきているので、
同社は「気に入った顧客しか相手にしない」という感じなっている。

そして、私の懸念としては、
今後、この「新川式『正直不動産』仲介」のやり方で、
詐欺業者も続出するのではないかということである。

現に、ちらほらそのような噂を聞く。
市況が悪くなってきているので、
不動産業者も立ち位置を変化させて顧客に近づかなければならない。

よって、本書をストレートに読むというよりは、
これからの仲介業者のマインドを読み解くという意味で、
「半分面白がりながら」読むことをオススメする。
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◯しょっちゅうクビになる社員が多かったが今回は安定
◯物語のスタイルが安定してくる
◯第3巻に注ぐ、一般人のメリットが高い巻

扱われている内容
◯AD物件(手数料・広告費両取り)
◯中抜き(フルコミッション関連)
◯フルコミッション(売れない営業バージョン)
◯トリプル両手
◯再建築不可(旗竿地)
◯共同名義(離婚)


コラム
◯大島てる(事故物件サイト運営)VS夏原武(本作原作者)対談


本巻は一言で言えば、
第3巻に注ぐ、一般読者のニーズに答えた巻となる。

特に、共同名義と再建築不可は近しい内容だ。

相場より値崩れした不動産物件の主要な出処は、
「相続」と「離婚」。

特に区分マンション、戸建ての投げ売りは、
「離婚」の方が緊急性が高く、値下げ幅も大きい傾向にある。

共同名義は、ローンを組む時に有効であるが、
その後のリスクについては端的な説明しかされない。

だが、本巻は具体的なモデルケース、
しかも汎用性が高いケースを採用。
これ一話で今後の対策ができるものだ。


また、一般人が投資を初めて考える時、
今は「築古戸建」をオススメされるケースが多い。
現在の最大の投資のブームはこれだからだ。

そして「再建築不可」の物件を安さにカマかけて
非常に多くの初心者が購入している。
業者・プロと初心者の対応ギャップがあるのが、
この「再建築不可」であるといえよう。

この「再建築不可」に対して、
果たしてこの漫画はどんな態度をとるのか。
これはぜひ確認しておいた方がいいだろう。

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◯今回はプロ寄り
◯キャラクターの過去にスポット


取り扱われる項目
◯借地権(大型案件 前号から続き)
◯ホームインスペクション(築浅物件)
◯地面師(積水ハウス事件と類似)
◯リバースモーゲージ
◯フルコミッション(不動産営業の給与形態)


第3巻の高揚冷めやらぬ中で、
引き続き、借地権からのスタート。
ただ、借地権の案件はいかにもオーソドックスな権利の集約に
終始し、あまり面白みがないといえばない。

だが、本巻は注目は「地面師」だ。

通常、不動産業界で働いていても、
この「地面師」に会うことはない。

なぜなら、地面師の登場にはいくつか条件があるからだ。

◯利便性の良い広大な土地
◯それを買いたいと思っている資金的余裕のある企業
◯表面化していない売却がしづらい背景

金額自体が非常に大きいことが、
積水ハウス事件の55億円という金額でもわかる。
全容も掴みづらいし、そもそも
事件にキャッチーな見出しをつけることができない。

要は、大型の「手付金詐欺」に近く、
販売契約を結んでトンヅラするというものだが、
今まで人々が興味を持った
「そこに至るストーリー」を、
初めて記した漫画となったであろう。

物語の制度は低いものの、
不動産に関わる職種や一般人に
その全容がわかるように提示できたのは大きい。

そして、フルコミッション。
業界の人間はこのテーマをどう扱うか、
非常に気になっているのではないか。

この「正直不動産」は、2巻も3巻も4巻も
「業界人が知りたいネタ」を
半分だけ載せて、次号に引伸ばす傾向がある。

全体的にネタが尽きてきそうな感じだが、
まだもう少し、追ってみたいと思う。
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◯実はこの第3巻が一番売れている
◯第1〜2巻に比べると話が一気に複雑化

取り上げられる項目
◯賃貸借契約(家族内無償賃貸)
◯預かり金(賃貸・買付)
◯賃貸契約後の賃料値上げ
◯あんこ業者(元付け・客付けの間に入る業者)
◯借地権(底地と借地権の統合)


本作はこの第3巻から、いきなり複雑化する。
しかしながら、アマゾンのランキングや在庫状況から見て
シリーズの中で一番売れているのはこの第3巻である。
(現在アマゾンでは在庫切れ 2019.6.9〜14)

理由は、一般人の需要として
◯預かり金
◯賃貸契約後の賃料値上げ

もう一つは、プロの投資家や業者からの需要で
◯預かり金
◯あんこ業者
◯借地権

の項目があるからだと想定される。


祠を壊したタタリのせいで引き続き、
嘘がつけない正直者化した永瀬が、
自身の売り上げを激減させながら、
社会にはびこる不動産投資の悪を追求していく。

中でも一般人にとっては、
買い付け証明書の「ローン特約」で、
ある手法を投じれば、
返却されるはずの多額の「手付金」が
奪い取られてしまう、という情報と、

エサ的な激安賃料で契約させておいて、
契約直前でいきなり高額な賃料値上げが
法律的にできてしまう事実は
かなり衝撃だっただろう。

また、インターネット時代になってから
全滅しかけている「あんこ業者」の登場と
その新しい利用方法は、多くのプロをうならせたに違いない。

思ってみれば、区分投資物件などの
限られた分野で、今でも「あんこ業者」が、

「一般の無知の素人を騙すため」に
使われているのは、非常にリアリティがあるし、
実際にこの漫画と同じ手法が使われている匂いがプンプンする場面も、
現実に多数存在しているのが、多少のアマチュアにもわかる。

もし、これらが気になる方がいれば、
すぐにまず第3巻だけでも買って読んだ方がいいかもしれない。
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◯主人公の永瀬は正直さゆえに売り上げは急降下
◯それに対して営業ナンバーワンがクビ
◯現実ではありえない設定だが、大地主が入社という展開

扱われる項目
◯中間省略(三為 前号の続き)
◯建築条件付土地売買
◯瑕疵担保(土地)
◯瑕疵担保(殺人)


結果的に、2巻を読む限り、
1巻は手ぬるいことに気がつく。

この巻から急速に、
実務面が強くなるのだ。

主人公の永瀬は引き続き、
神社にお祓いに行くわけでもなく、
タタリが継続したまま、
馬鹿正直に営業を重ねる。

扱う物件は、物の見事に問題山積みの物件ばかり。


中盤で大地主の息子(藤原課長)が入社してくる。
この地主が、問題を大量に抱えた物件を、
さらに問題を増やして、
それを問題のある売主にドンドン売っていく。

現実の世界では、というか、
特に関東近隣ではこのような大地主が多い、
というイメージで藤原キャラクターが造形されている。

過剰なキャラクターが登場したことで、
私的には若干、浮世離れし始めた感じがするが、
そこで扱う瑕疵担保や告示事項などは、
そのくらいでやらないと一般人に対してキャッチーにはならない。

おそらくこの作品の方向性が、
固まってきたのだなあ、と感じる。

1巻のように問題の解決方法や対処方法は、
提示されることなく、問題が問題を呼ぶ物語の設計。

正直、不動産投資をする初心者には、
あまり為にならないエンタメの様相を呈してきている。

だが、人物の描き方の側面で、
これはまさに不動産業を「生業」だと感じて労働している、
長期従業者の真理に迫っている。

つまり、不動産を
「接客業」として、
この2巻からはかなり正確にみることができるようになったと感じる
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◯タタリで嘘がつけなくなった不動産営業の話
◯環境・情勢の悪化により、ヒアリングが必要になってくる傾向
◯空家数増加・人口減少に挑んだ内容
◯過剰な演出はあるもの、かなりリアルな内容

登場する項目など
◯サブリース
◯敷金・礼金(オーナー嫌がらせ激安物件)
◯現状復帰
◯囲い込み
◯売却(専任・一般)
◯店舗物件
◯三為(前半部)

私の所属する大家の会で、
非常に好評だったっため読んでみることに。

内容は、上記の通り。
嘘がまかり通っていた不動産業界にて、
祠を壊したことでタタられた優秀嘘付き営業マンが、
「嘘をつけなくなる」というストーリー。

ただ、この裏には、
バブル信仰がもたらした、
営業スタイルの転換も込められている。

人口減に伴う空き家率急増が見込まれ、
コンクリート物件の老朽化や、
タワーマンションの問題、楽待・健美家といった
情報サイトの充実化による業界内の暴露など、
今後バブリーな嘘つき営業スタイルを阻害する要素が増える中、

現実より先に「漫画がパラダイムシフトを予想」する内容となっている。

タタリで嘘をつけなくなった主人公の永瀬は、
馬鹿正直な新人、月下と組むことになり、
物語はこの「チーム正直」で動くことになる

漫画のバランスを維持するため、
過剰な演出と主人公が逸脱しない作りとなっているが、
ところどころで、かなりリアルな局面も出てくる。

また、漫画の巻末にある
企画者のコラムもかなり読み応えがある。

全体的に、この著書を読むと
「不動産投資をしたくなくなる」
という傾向はあるが、それでも今後、注目するべき本だと言える。

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