本書の特徴
◯「売らない」仲介業者の視点で書かれた著書

売らない業者とは
◯営業ツールはライン、メルマガのみ
◯セミナーで投資家をほぼ無償で育てる(モリゼミ)
◯セミナーで不動産投資に向いている投資家以外は、基本声をかけない
◯条件の良い案件も取引先・顧客の状況により見送ることが多い


本書で語られる「売らない」仲介業者の仕事
◯瑕疵担保保証、値切りなどの交渉など
◯銀行融資(他人の高評価を吸収、統合し活かせる)
◯管理会社、リフォーム業者の詐欺の回避
◯悪質業者から個人投資家を守る
◯悪質業者、悪質投資家から銀行を守る



本書は「売らない営業」の不動産会社として、
関東近隣で著名な「クリスティ」「富士企画」代表の
新川忠義氏の著書である。
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不動産業界というのは元来、
◯物件が高額であること
◯契約までの流れが複雑
◯目に見えないトラブルが多い
という、独特な要素を抱えており、

そのため
◯強引に契約させる
◯問題を隠し通す
◯トラブルが起きたら逃げる、隠れる

という、営業スタイルを生み出してしまっている。

その結果、
◯騙し
◯誘い込み
◯縁切り

という、いわゆる「売るための営業」が、
一般的である。


それに対して、新川社長の企業では、
◯責任をもって最後まで見守る
◯事前に顧客をトラブルから守る
ことを、営業スタイルの一つの特徴としている

ただ、上記は無償で誰にでも提供されるわけでなく、
◯不動産投資家に適している人
◯不動産仲介をバカにしない人
◯不動産仲介から学ぶ人
◯銀行に迷惑をかけない人
を、対象とし、ある程度まで
顧客を絞り込むという特徴がある


不動産業界というのは、
当然、投資であるがゆえに、
欲にまみれた業界である。

そこにある種「人情」をプラスして、
「どこまで仕事が快適にできるか」
というのを、新川社長たちは「実験」しているところがある。

このスタイルでは、10年ほど成功して、
今の所大きな失敗はしていないと書いている。

この「人情スタイル」は、
実は私も日本人に向いている営業スタイルだと感じている。




新川社長が行っているこの「人情スタイル」を
採用して発展した業界が実はもう一つある。

それは芸能界である。

特に「ジャニーズ事務所」は、
私の知る限り、この営業スタイルに近い。


人気が出るまでは
お金が有る無しにかかわらず、
「人情」で仕事を行い、
発注先が経済的な成功を実現するまで、
サポートし、彼らの成功とともに一緒に利益を確定する、
という、スタイルである。

富士企画は、創業以来3000人の大家を誕生させ、
リーマンショックなどの物件下落時に、
個人投資家を起点に逆張り的な利益拡大を行ってきた。
いざという時のために、個人投資家を育て、
業界全体が沈む時に一番儲けるというスタイルである。

このようなスタイルの仲介業者は、
かなり少なく、その点で
あまり不動産投資をガシガシやる人には向いていない
書籍かもしれない。

が、
万が一、いい関係を築きたい業者が現れた時に、
彼らのマインドを知るための著書として読むのいいのかもしれない。