ひとり不動産・健康学会(書評ブログ)

不動産書籍と健康書籍の書評を書きます。

現在200冊程度の不動産書籍と健康関連書籍を読んで、 その中から選りすぐりの書籍をオススメしています!




◯実はこの第3巻が一番売れている
◯第1〜2巻に比べると話が一気に複雑化

取り上げられる項目
◯賃貸借契約(家族内無償賃貸)
◯預かり金(賃貸・買付)
◯賃貸契約後の賃料値上げ
◯あんこ業者(元付け・客付けの間に入る業者)
◯借地権(底地と借地権の統合)


本作はこの第3巻から、いきなり複雑化する。
しかしながら、アマゾンのランキングや在庫状況から見て
シリーズの中で一番売れているのはこの第3巻である。
(現在アマゾンでは在庫切れ 2019.6.9〜14)

理由は、一般人の需要として
◯預かり金
◯賃貸契約後の賃料値上げ

もう一つは、プロの投資家や業者からの需要で
◯預かり金
◯あんこ業者
◯借地権

の項目があるからだと想定される。


祠を壊したタタリのせいで引き続き、
嘘がつけない正直者化した永瀬が、
自身の売り上げを激減させながら、
社会にはびこる不動産投資の悪を追求していく。

中でも一般人にとっては、
買い付け証明書の「ローン特約」で、
ある手法を投じれば、
返却されるはずの多額の「手付金」が
奪い取られてしまう、という情報と、

エサ的な激安賃料で契約させておいて、
契約直前でいきなり高額な賃料値上げが
法律的にできてしまう事実は
かなり衝撃だっただろう。

また、インターネット時代になってから
全滅しかけている「あんこ業者」の登場と
その新しい利用方法は、多くのプロをうならせたに違いない。

思ってみれば、区分投資物件などの
限られた分野で、今でも「あんこ業者」が、

「一般の無知の素人を騙すため」に
使われているのは、非常にリアリティがあるし、
実際にこの漫画と同じ手法が使われている匂いがプンプンする場面も、
現実に多数存在しているのが、多少のアマチュアにもわかる。

もし、これらが気になる方がいれば、
すぐにまず第3巻だけでも買って読んだ方がいいかもしれない。
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◯主人公の永瀬は正直さゆえに売り上げは急降下
◯それに対して営業ナンバーワンがクビ
◯現実ではありえない設定だが、大地主が入社という展開

扱われる項目
◯中間省略(三為 前号の続き)
◯建築条件付土地売買
◯瑕疵担保(土地)
◯瑕疵担保(殺人)


結果的に、2巻を読む限り、
1巻は手ぬるいことに気がつく。

この巻から急速に、
実務面が強くなるのだ。

主人公の永瀬は引き続き、
神社にお祓いに行くわけでもなく、
タタリが継続したまま、
馬鹿正直に営業を重ねる。

扱う物件は、物の見事に問題山積みの物件ばかり。


中盤で大地主の息子(藤原課長)が入社してくる。
この地主が、問題を大量に抱えた物件を、
さらに問題を増やして、
それを問題のある売主にドンドン売っていく。

現実の世界では、というか、
特に関東近隣ではこのような大地主が多い、
というイメージで藤原キャラクターが造形されている。

過剰なキャラクターが登場したことで、
私的には若干、浮世離れし始めた感じがするが、
そこで扱う瑕疵担保や告示事項などは、
そのくらいでやらないと一般人に対してキャッチーにはならない。

おそらくこの作品の方向性が、
固まってきたのだなあ、と感じる。

1巻のように問題の解決方法や対処方法は、
提示されることなく、問題が問題を呼ぶ物語の設計。

正直、不動産投資をする初心者には、
あまり為にならないエンタメの様相を呈してきている。

だが、人物の描き方の側面で、
これはまさに不動産業を「生業」だと感じて労働している、
長期従業者の真理に迫っている。

つまり、不動産を
「接客業」として、
この2巻からはかなり正確にみることができるようになったと感じる
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◯タタリで嘘がつけなくなった不動産営業の話
◯環境・情勢の悪化により、ヒアリングが必要になってくる傾向
◯空家数増加・人口減少に挑んだ内容
◯過剰な演出はあるもの、かなりリアルな内容

登場する項目など
◯サブリース
◯敷金・礼金(オーナー嫌がらせ激安物件)
◯現状復帰
◯囲い込み
◯売却(専任・一般)
◯店舗物件
◯三為(前半部)

私の所属する大家の会で、
非常に好評だったっため読んでみることに。

内容は、上記の通り。
嘘がまかり通っていた不動産業界にて、
祠を壊したことでタタられた優秀嘘付き営業マンが、
「嘘をつけなくなる」というストーリー。

ただ、この裏には、
バブル信仰がもたらした、
営業スタイルの転換も込められている。

人口減に伴う空き家率急増が見込まれ、
コンクリート物件の老朽化や、
タワーマンションの問題、楽待・健美家といった
情報サイトの充実化による業界内の暴露など、
今後バブリーな嘘つき営業スタイルを阻害する要素が増える中、

現実より先に「漫画がパラダイムシフトを予想」する内容となっている。

タタリで嘘をつけなくなった主人公の永瀬は、
馬鹿正直な新人、月下と組むことになり、
物語はこの「チーム正直」で動くことになる

漫画のバランスを維持するため、
過剰な演出と主人公が逸脱しない作りとなっているが、
ところどころで、かなりリアルな局面も出てくる。

また、漫画の巻末にある
企画者のコラムもかなり読み応えがある。

全体的に、この著書を読むと
「不動産投資をしたくなくなる」
という傾向はあるが、それでも今後、注目するべき本だと言える。

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◯銀行員の人種・組織構成など恐ろしい情報量
◯銀行担当者が「融資のために社内で何にもしなくていい」
 キラーパス的「稟議書的企画書一式」を掲載
◯銀行融資関連裏話が多彩
◯1棟目の融資付けエピソードを詳しく書いている
◯他の書籍で見たことがない銀行融資のタブーを多数掲載


おそらく楽待さんで1番めに知られている投資家さんではないだろうか。

私の印象としては、彼、安藤新之助さんは、
結構なんでも赤裸々に語る人だという印象。

楽待DVDでは、不動産仲介業者との
夜の接待、裏金の渡し方など、
かなりすごいことを語っているし、

楽待さんの素人の銀行面談シリーズ企画でも、
ある種「どうやって好まれる嘘変換」をしていくのかを、
ストレートに話している。


彼の前提には、おそらく偽善があまりないんだと思う。

そして、普段偽善を求めてくる銀行の担当者は、
彼のような「正直で異常に礼儀正しい金の亡者」に、
イレギュラーな感動を感じているのだろう。


◯自分にストーカー性があるならば、
 安藤氏のような手法はかなりの確率で使える

安藤氏の手法は、相手の断る理由を事前に、
どれだけ埋めてしまえるか、この一点である

これは単に相手を知るだけというものではなく、
狂人的かつストーカー的な先回りが、
断る、逃げる、ばかりして半ば病んでいる
銀行担当者を逆に「癒してしまう」レベルのものである。

みんなに憎まれている、陰口を叩かれている
職業を包み込む手法が、大胆に書かれている。


安藤氏は、インタビューや記事で
仲介業者、弁護士、税理士などは、
嘘つきで悪徳な人が多く、あまりその方面の付き合いが、
得意ではない、と語っている(と、記憶)。

つまり、銀行員は、
個人的な金のために動くことはないので、
その分真っ当で、かつ、
「他人のお金」を「他人に渡す」
仕事であり、むしろ「社内の人事的な面」さえ抑えたら、

お金を差し出す人種であることを、
長い試行錯誤で気がついた、
特殊な人間であると言える。


◯彼の具体的な資料は、情報強度が高い

普段、私は本を読んだら
さっさとアマゾンで中古でうるのだが、

この本のところどころに掲載されている、
彼の直伝の書類のレベルが高すぎて、
今回は売れそうにもない。

たぶん、しばらくは手元に置いておくと思う
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丹念な取材でかなりの情報量。
しかも著者も不動産投資の経験あり。
単なる警告書というよりは、上質なドキュメントでもあります。

要点箇条書き

◯1棟目、2棟目のローン物件を狙う不動産投資家が一番のカモ
◯不動産投資経験者のリスト(カモリスト)が存在している
◯騙す形式は大きく分けて2種類
◯購入者の見抜けない「見えない詐欺」
◯購入者と組んで行う「見える化共有詐欺」


ツイッターを通して、何人もの不動産投資家が
しかもかなりベテランの投資家が推薦していたので読みました。

確かに、近年の不動産投資詐欺状況を調べ尽くした凄い書籍です。

私の読んだ感覚としてはノンフィクションの最高峰、
「大宅壮一ノンフィクション賞」にも匹敵しそうな内容。

特にスルガスキーム関連の証拠メール、ラインなどの
エビデンスは著者の新聞記者としての力量が発揮されています。

また、この本で明らかになったことがあります。
それは、不動産の詐欺にはめられる人は、
実は初心者で属性が高い人、よりも不動産投資経験者が多いということ。

つまり、この不動産投資という業界は新規参入の敷居が高く、
銀行が基本「経験にしか融資をしない」というスタンスを持っています。

そのため、融資という名のレバレッジがきく、
超高額取引をできるのは、属性よりもむしろ「投資経験」。

そして業者として美味しいのは「知識の浅い投資家」。
ということになります。

そうすると必然的に1棟目、2棟目の新米投資家が餌食になる。
いわゆるドレッシングが掛かったお野菜になるわけです。

もちろん、かぼちゃの馬車などの詐欺では、
低属性の被害者も多いのですが、
本書の本質は、「経験者を騙す」という側面。

「俺は思った以上にうまくやている」
「不動産関連の仕事に関わってるし、自分はセンスがある」
「買いすぎて融資が出ない」
「そろそろ田舎から都市へ物件を買い進めたい」

これらのことをつぶやきそうな不動産投資家が、
ことごとくハメられて地獄に落ちている様子が伺えます。

そして、さらに

これらの「地獄落ち」は、今後2〜3年かけて、
さらに表面化するという可能性。

現に、2017年にたくさん物件を買った投資家の多くに、
2018年、2019年の信用棄損の規模が大きすぎて、
融資が全然つかず、物件が買えていない。
という人を、有名大家を含め私はたくさん見ています。

心当たりがある人は、
ぜひ読んでください。

そして、もうすでに手遅れでなければ、
対処法を考えたほうがいいでしょう。
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